るろうに剣心の実写版を語る。後編
2019年 05月 04日
るろうに剣心実写版を語る。後編
前編に引き続き、2部作の完結編となる「伝説の最期編」を通して感想を書き連ねていく。
*ネタバレしまくるのでまだみてない人はみないでね
比古清十郎
:福山雅治
冒頭、剣心の幼少期の追憶からの登場。
そして剣心との修行の流れ。体のキレがハンパじゃない!
何やらせても演じ切る。福山兄さんすごいや。
「俺はもう二度と人を斬りません」
剣心の不殺の誓い。
大切なものを守るために、刃衛や張との戦いの中で抜刀斎だった頃の自分に立ち戻りかける。
なんか分かるなー。
「俺はもう二度とキャバクラには行かない!」何度言ったことか笑
「お前は生涯苦しみ、悩み、孤独に苛まれ、またキャバクラに通うことになる。」
え?いっしょにすんなって?
「生きようとする意思は何よりも強い」
この物語の命題のように感じる。
命を捨てて大切な人を守っても、それで大切な人を救ったとは言えない。
自分が大切だと思う人は、相手からしてみても大切な人だから。
幕末、多くの人を斬り、それ以上に多くの悲しみを生み出してしまった剣心は、その悔恨と罪悪感のあまり、自分の命の重さから目を背けようとしている。
そこから思い出すこと。実写版の第1作目にて、斎藤一(江口洋介)が剣心に向かって言ったセリフ。
「己に向いた刃は、やがてお前を苦しめることになるぞ」
たしかこんなセリフだったと思う。原作にはなく、映画オリジナルのセリフであるが、なるほど深い。
他人を傷つけようとすれば刃は他人へ向く。逆刃刀の場合、その刃は常に自分へ向いている。そのことが剣心自身の“自分の命を重くみない”ということにつながっているのではないか。
自分の命も1人の人間の命なんだと気づいたとき、本当の強さを見出すことができる。
斎藤一
:江口洋介
江口さんもいいよね。渋い。
宇水との対決が秒で終わってしまったのが悔やまれる。今作の尺ではこれがベストなのか。
宇水とのやりとりがない影響で見せ場がなくなってしまったのがもったいない。
原作のセリフで好きなものをひとつ挙げたい。
「自分の信念を貫けなかった男など、生きていても死んでいても惨めなものだ」
ここで突然ポルノの曲の話で恐縮だが、2018年リリースの“Zombies are standing out”の歌詞が蘇る。
歌詞というよりも世界観かな。
ゾンビというのは現実にはありえないが、復活と不死の象徴。
死して生きる永遠の転生
立ち上がれ Living dead
この“荒み切ったCrazy town”において、打たれても撃たれても何度でも立ち上がり続けろ。というような曲。
しかし裏テーマのように感じることがある。そうやって打ちのめされ、感情を焼き尽くされていくうちに、信念を失くしてはいないだろうか。
無感覚と無関心、ただ生きているだけのゾンビのような存在になってはいないだろうか。という警告である。
「自分の信念を貫けなかった男など、生きていても死んでいても惨めなものだ」
事あるごとにハッとさせられるセリフである。
もうひとつ今作にて好きなシーン。
不二?に刺されて、「誰かがやらねば、、、新しい時代を!!」と言って死んでしまう警官に対して「ご苦労だったな」と最後の言葉をかける。
共に戦った同志に対しての言葉。それはダンダラ羽織を着ていても、警官の制服を着ていても何も変わっていないのだろう。
柏崎念至
:田中泯
原作にはない展開。葵屋にて蒼紫に敗れた翁。
今作では、その傷も癒えぬまま剣心を狙う蒼紫を追うが、呆気なく返り討ちにあってしまう。
敵わないと知りながらも、最後まで日本の未来を案じ、剣心に後を託し、逝く。
そして黒尉(白尉かも)のセリフ。
泣いた。
この黒尉のセリフ然り、不二?にやられた警官のセリフ然り、脇役がいいセリフを吐くのがこの作品の魅力でもあると感じる。
田中泯という役者。自身では「俳優ではない」と公言しているようだが、もともとはダンサーであったらしい。
従来のダンスと呼ばれるものに反発し、今までの枠組みに囚われないパフォーマンスで自身の信じるダンスをハイパーダンスと名付け、展開する。
このるろ剣実写版でのアクションシーンもとても70代とは思えない身のこなし、殺陣を演じる。
改めてプロフィールを調べてみて感じたが、このアクションシーンはスタントなどは使わず、全て自分が演じているのではないか。そういった人間性を見て取れた。
マジでかっこいい。
巻町操
:土屋太鳳
剣心と蒼紫の戦いのあと、葵屋にて。翁の仇をとりたいなら殺せという蒼紫に対して
「あなたには生きてもらう」
ただの天真爛漫なキャラではないところに魅力を感じる。
無責任に死に逃げてはいけない。生きて自分を全うすることが責任を果たすという事。
非常に考えさせられる内容。
自分も早く今の場所での責任を果たさなければ。
四乃森蒼紫
:伊勢谷友介
はじめは剣心のつけ狙う危ないサイコキラー的な位置付けで登場する。実写版第1弾、武田観柳のエピソードで登場しなかった為か、ドラマは少なめ。
かつての仲間を手にかけ、剣心に敗北した四乃森蒼紫。
その心の移り変わりはいかほどのものかは分からない。しかし煉獄にて「抜刀斎は俺が倒す」と言っていることから、“観柳に流れ着く更に前、操殿達が御頭と慕った頃の”四乃森蒼紫に戻ったのではないだろうかと考えられる。
高荷恵
:蒼井優
神谷道場にて警官隊に囲まれたときのセリフ。
「あんたたち。恥を知りなさい!志々雄を殺せと命じておきながら、今度は志々雄の言いなりか!」
シビれた。
蒼井優の芝居って初めてみたかもしれない。印象変わったなー。
1本芯の通った強い女性の役。
たぶんあの警官たちの誰よりも強い気がする。
駒形由美
:高橋メアリージュン
セリフの数は少ないものの、いちいち色っぽい。たった一言で骨抜きにされる。
「いつにも増してお体が熱い」
悠久山安慈
:丸山智巳
下諏訪での左之助との邂逅がカットされている為、宇水さんと同じくエピソードカット。
もう金的でやられてしまうのが気の毒で気の毒で、、、
声がアニメ版と同じでビックリした!
瀬田宗次郎
:神木隆之介
意識高すぎ高杉くん!
こちらもドラマ少なめ。
縮地とか無茶な動きしてない。今作での世界観を崩してないところがいいよね。
決着での左足だけで満足。
やっぱ左足って大事だよね。捻挫したらクラッチ操作できなくなるもの。
〜水曜どうでしょう ヨーロッパ20ヶ国完全制覇の旅より
クライマックスのラストバトル。
息詰まる熱戦。圧巻の一言。
通常、ひとつのアクションシーンは平均して10分前後なんだそう。それ以上になると飽きちゃって、ずっとは見ていられないんだそうだ。
しかし、このラストなシーンではなんと14分!
しかも撮れ高としてはここだけで7時間にもなっていたそうだ。
まさに今作の集大成といったところだ。セオリーからは外れるが、一瞬も目を離せないから目が乾いて乾いて。
つらつらと書いてきたが、いつも以上にすごい文字数>_<笑
次回作がなんと楽しみなことか!
またラストシーンの剣心のセリフから、もしかしたら剣路も登場するんじゃないかという期待!
公開まであと1年と3ヶ月。いままでの作品を見ながら楽しみに待っていよう。
by YoHeY1002
| 2019-05-04 19:45
| カタルーン